- 学芸員のコラム
- 学芸員のコラム No.2
2021/11/13
学芸員のコラム No.2
お酒づくしの展覧会 ―開館20周年記念特別展「うま酒の国 大和」開催中!―②
お酒を楽しむさまざまな道具
一般に酒がたしなまれるようになった江戸時代以降、お酒をより楽しむためのさまざまな道具が生み出されました。展示中の「すき焼き台」(奈良県立民俗博物館蔵)は、ちゃぶ台の中央部分に炉を備えたもので、その周囲には水を溜めておける構造になっており、炉に火が入ると水も温められ酒を燗することができる仕組みで、鍋をつつきながら酒を楽しめるようになっています。
他にも、花見などの屋外で使われた酒筒つきのお弁当箱や、蒔絵が施された重箱なども展示しています。
近代におけるお酒の広告用ポスター
実在の人物の写真を使用した国内初のヌードポスターとして名高い「赤玉ポートワインポスター」。
みなさんも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
他にも明治から昭和にかけてのお酒の広告用ポスター13点をずらりと展示したコーナーは、展示室内で最も華やかになりました。
北野恒富や伊藤深水の原画をもとにした作品も展示しています。華やかな絵の中によく見るとさりげなく描きこまれた宣伝要素。
実はさまざまに趣向を凝らして描かれた広告用ポスターの美と工夫に注目して楽しんでいただければと思います。
お酒が大好きという方も、ほとんど飲まないという方も楽しんでいただける展覧会「うま酒の国 大和」は11月23日(火・祝)まで開催しておりますので、ぜひご観覧ください。
特別展「うま酒の国 大和」詳しくはこちら
学芸員 染田英美子