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学芸員のコラム

2022/02/23

学芸員のコラム No.5 「万葉コレクション展~後期~」

館蔵品展「万葉コレクション展~万葉文化館20年の歩み~」後期展開催中

現在、万葉文化館では、開館20周年を記念した館蔵品展「万葉コレクション展~万葉文化館20年の歩み~」を開催しています。
「寄贈品」をテーマとした今回の展覧会。1月25日(火)からは、2010年以降にご寄贈いただいた作品を展覧しています。

さて、後期の展示は、洋画家の内藤定昭とフレスコ画家の金森良泰の作品を数多く展示しています。
内藤定昭は、当初水辺の風景をセザンヌ風のタッチで描いていましたが、彼の絵画の主題は、東北・関東の寺院や風景を経て、奈良の古寺や風景へと展開します。内藤の画題の変化には、彼の恩師である田原輝が仏像を描いていた点が大きく影響したと考えられます。
金森良泰はフレスコ画にさらにストラッポの手法を用います。フレスコ画とは、生乾きの漆喰壁面に描く絵のことで、ストラッポとは漆喰が乾いたあと、壁面から絵をはぎ取りカンバスに移し替える技法です。金森の作品では、天女の舞う幻想的な空と奈良の風景が鮮やかな色彩で描き出されています。
ふたりとも、奈良の風景や仏像を作品のテーマに取り上げている作家です。会場では同じ千手観音を描いている作品も展示していますので、ぜひその表現の差をお楽しみください。

さらに、2021年に受贈した烏頭尾精と辰巳寛の合計7作品は、今回の展示が当館の収蔵品として初のお披露目の機会となりますので、お見逃しなく!

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