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2023/02/02

万葉文化館のコレクションについて①万葉日本画

万葉文化館のコレクションについて ①万葉日本画

                                                                                       

 「万葉日本画」――。あまり聞き慣れない言葉だと思う方も多いのではないでしょうか。それもそのはず、「万葉日本画」とは万葉文化館が所蔵する特定の作品群のみを指す言葉だからです。

                                          

  万葉文化館には約700点の収蔵作品がありますが、なかでもコレクションの中心となっているのが、「万葉日本画」と呼ばれる154点の作品群です。「万葉日本画」は、『万葉集』に詠まれた歌から着想を得て描かれた日本画で、万葉文化館が平成13年(2001)に開館するにあたり、当代一流の画家154名に依頼して制作された作品群のことを指します。一例を挙げると、平山郁夫や片岡球子、加山又造、絹谷幸二、千住博...など現代の画壇を牽引してきた、また現在も第一線で活躍し続けている画家に制作していただきました。

                                      

 「万葉日本画」154点には、それぞれにモチーフとなった万葉歌が存在し、その歌をもとに画家は個々に取材やスケッチを行うだけでなく、歌の勉強会や再現された古代衣装を身につけた人物のスケッチ会が行われ、作品を完成させました。内容は、人物を大きく描いた作品が59点あり、それ以外は風景や動植物を主題にしています。

                                                

 ほとんどが80号(S80号で1455㎜×1455㎜)以上の比較的大きな額装作品であり、額装のほか屏風形式の作品が12点という、寸法からみても見応えのある作品群です。

                                      

 「万葉日本画」は、館蔵品展として年間1回ほど60点~70点まとめて展示することがあります。その他、開催中の特別展のテーマに合わせて数点展示している場合もあります。

                                           

 ぜひ、『万葉集』の世界を目で見て楽しめるとてもユニークなコレクション「万葉日本画」の持つ迫力や繊細な美しさを体感しにお越しください。

                                           

(学芸員 染田英美子)

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